令和8年度予算に反対討論をしました
昨日は3月定例会最終日でした。
約1カ月に及ぶ闘い(笑)を終え、ようやく一息つけたと同時に
これからは市民の皆さんに決まったことをいろいろとお伝えしなくては
と思っております。
昨日は令和8年度予算について、反対討論を述べさせてもらいました。
国が地方自治体に義務付けている業務は「法定受託事務」といいますが、
自治体はそれを行うことを拒否できないのに
国の政策そのものに反対しているという理由で
自治体予算に反対することに、正直迷いはあります。
今回で言えば、国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料に
4月より上乗せして徴収される「子ども子育て支援金」です。
また、予算の全てに反対しているわけではなく
市民にしっかりと説明がなされていないこと、
市民がおきざりで進められようとしていることなどに
ポイントをしぼって、
なぜ反対するのかをお伝えしなくてはと考えています。
お時間許しましたら、お目通しください。

議案第7号 令和8年度一般会計予算
議案第8号 令和8年度国民健康保険事業特別会計予算
議案第10号 令和8年度石狩市後期高齢者医療特別会計予算
に、反対の立場から討論いたします。
まず冒頭にお伝えしたいのは、私は対立を目的としてここに立っているのではないということです。令和8年度予算審議を通じて、“未来始動予算”と位置付けられた令和8年度予算がどのような未来を描こうとしているのかを確認してきました。地域自治区の終了とともに、子育て支援の地域格差が縮まり、浜益区・厚田区で放課後の居場所づくりが前進したこと。中央バス撤退後の新たな地域公共交通が、多くの方々の尽力によりスタートできる体制が整ったこと。企業誘致による税収効果だけでなく、地産の再エネを地域で活用する仕組みを模索していること。若手職員を中心とした行政改革や、休暇制度の充実、人材確保に向けた働き方の見直しが進んでいること。
これらは、未来に向けた確かな一歩であり、必要な投資であると受け止めています。
しかしながら賛成できない点を明確にすることこそ、市民に対する責任だと私は考えています。私たち議員は予算執行の現場から離れていますが、市民もまた同じ距離から行政を見ています。だからこそ、この予算が描く未来を真剣に受け止め、その上で課題を率直に申し上げたいと思います。
とりわけ、未来を語るうえで避けて通れないのが、本市の財政基盤そのものに関わる問題です。
市長は、令和8年度予算の記者会見で、石狩市の財政状況について問われ『税収が増えているのに財政調整基金を切り崩さなければいけないのは、我がまちに限らず人件費・物件費・扶助費等が上がっている部分もあり仕方がないのかと思っています。財政調整基金を崩さずに予算を組むということは、どこかのサービスを低下させるということで、やるべきではないと考えています。近いうちに10億円前後の貯金をできるように、今一生懸命企業誘致も含めて、税収が増える稼げるまちを目指したいと思っています。』と答えています。しかし、この説明からは、財政調整基金の枯渇をどの程度の問題として捉えているのか、その姿勢が市民には見えにくいままです。サービスを低下させたくないという市長の思いは理解できます。しかし、令和5年度以降、財政調整基金の取り崩しが4年連続で続いている現状は、増え続ける歳出を税収だけで賄うことには限界があることを示しています。『近いうちに10億円』という見通しも、企業誘致による税収増に依存しており、確実性のある財源とは言えません。加えて、ふれあい拠点構想として、市営プールと文化ホールの複合施設整備といった、将来的に多額の投資を必要とする計画も控えており、市民の「石狩の財政は大丈夫?」という不安には明確に答えられていないと考えます。
こうした大規模事業を見据えるのであればなおさら、歳出構造の見直しや、中長期財政見通しの現実化、基金の目標残高の設定など財政構造を根本から立て直し、財政調整基金の健全性を確保し、財政基盤を強固にしていくことを市民に示していただきたいと考えます。
次に、反対の理由の二つ目です。
税収増に依存した財政運営は、企業誘致や新たな事業を“稼ぐため”に進めることが第一命題となり、その過程で『公』としての判断が後景に追いやられていないかという懸念があります。
昨年実施させていただいた議員と中学生との意見交換では、多くの生徒が“石狩の良さは自然の豊かさ”と語り、札幌市のような都市化ではなく、自然を実感しながら安心して暮らせるまちを望んでいました。未来世代が示したこの価値を、政策判断の基盤として受け止める必要があります。
一方で、石狩湾新港では大規模開発が進み、一般海域では最大200基の洋上風力が計画されています。地域未利用バイオマス発電も皆伐可能区域の拡大との関係は否定できず、森林生態系への影響は避けられません。REゾーンには23億円の国費が投入されましたが、データセンターへの太陽光供給は需要の1割にとどまっています。
その隣には鮭文化を育んできた本町地区があり、背後には全国的にも貴重な約20kmのカシワ林が広がります。しかし民有林は開発の危険に晒され、絶滅危惧種アカモズはⅠBからⅠAへ引き上げられるなど、生態系の危機は現実化しています。
鶴居村が太陽光発電事業者より、土地代400万円のところ補償金含め8000万円を支払い、苦渋の決断で地域の自然を守りました。この悪しき教訓を市としていかに受け止めるか。今こそ“公としての判断”が求められる局面です。自治体は開発を進める主体であると同時に、文化と自然を守り、農業や漁業を未来へ引き継ぐ主体でもあります。しかし現状では開発だけが過度に進み、その影響を市が十分に把握し、対処する姿勢が見えません。
石狩市というフィールドで民間事業者が経済活動を行う以上、地域への責任を果たすよう市が明確に求めるべきです。開発と保全を対立させるのではなく、“地域にとって何が持続可能なのか”という視点から、市が主体的に判断し行動することが求められています。
そのためには、市条例による保護区の拡大、分筆された民有地の買い取り、必要な開発規制に踏み出すことを強く求めます。
最後に、議案第8号 国民健康保険事業特別会計予算、議案第10号 後期高齢者医療特別会計予算についてです。今回の子ども・子育て支援金は、本来“病気やケガ”のために集めている医療保険料に、目的の異なる“少子化対策”を上乗せするものであり、特に国保加入者と後期高齢者の医療保険料は生活に直結する負担であり、実質的な増税と考えられます。こうした状況を踏まえ、本議案には賛成できません。
以上のことから、私の反対討論といたします。
動画はこちらから(1時間4分くらい)
https://www.youtube.com/watch?v=-UUbSlRmaAg&t=4395s
討論を終え着席し、いよいよ最後の採決。
反対予定の議案第10号で、なんと誤って「起立」(賛成)。
取り返しのつかないことをしてしまいました。
12年目で初めての採決表明のミス。
皆さんにご迷惑をおかけしましたが、議会規則上訂正はできないとのこと。
気をひきしめなさいよ、と戒めをいただいた最終日となりました。
新年度予算については、また改めてご報告いたします。
神代知花子