北海学園大学の学生さんと
本日、経済学部の川村雅則教授のゼミに、労働問題に取り組む地方議員のひとりとして、貴重なゼミの時間にお招きいただき、ゼミ生とお話しする機会をつくっていただきました。
お話をいただいた1週間ほど前から、今の学生さんが地方議員の話を聞いて、ピンと来ること、わずかでも心に残ることってなんだろう…と悩んできました。
今も昔も若者にとって政治家の話なんて、つまらないに決まっています。
よーしもう、こうなったら、徹底的に自己開示をしていくしかない。
私の20代、30代は、失敗と挫折ネタの宝庫です。
新卒で働いた食品メーカーの営業では2年でボロボロになり、ギブアップ。
大卒3年離職率30パーセントに入り込み、実家に引きこもったりを経て、再就職活動。
そこからが茨の道。「本当に自分がしたいこと」では食べていけない現実。奨学金を借りて資格を取っても、それを活かせる仕事は「非正規雇用」しかなかったこと。
経験を積み重ね、相談者からの信頼を得ても、常につきまとう雇い止め。正規職員とのあまりの待遇格差に心が病んでいく毎日。
「女で非正規である」ということは、どんなに勉強が必要な専門職であっても、その働きは「家計の補完」として見なされ、世帯主として生活を立てる想定が賃金になされてないこと。夫の扶養なら、女は低賃金でいいという偏見。
これはもはや、男女差別、身分差別なのではないか。
そしてそのような働き方を黙認する、同じ職場の仲間である正規職員。
私の悔しかった思いは、私だから感じたのではなく、川村先生曰く「座る人がどうこうではなく、椅子はあり続けているのに、その非正規の椅子だけが壊れたり、背もたれがないことが問題」と説明してくださいました。なるほど、言い得て妙。
私は議員になった時、非正規の問題に取り組むことにすら思い至っていませんでした。なぜなら、組合にも、非正規同士でも、この辛さを打ち明ける機会がなかったからです。
傷つき抑圧されてきたことで、言葉を失っていたのだと思います。
しかし、世間では非正規の当事者が顔と名前を出して問題を訴えたり、正職員の組合が非正規にも組織化を呼びかけていたり、研究者がこのような立場に置かれる人々の働き方に強い憤りを感じ研究テーマとし、運動している人たちがいると初めて知って、世の中捨てたもんじゃないと涙が出たことを思い出します。
今、私はこれらの方に勇気をもらい、議場で非正規の方の味方として、少しでもその扱いが正当にされるように声を上げています。
川村ゼミの学生さんたちは、みなさん真剣な眼差しでお話を聞いてくれて、また川村ゼミを選択したその思いもひとりひとり伺うことができて、先生が学生さんたちの心に植えたいタネはもうしっかり芽を出しているのではないかなぁ、なんて生意気にも思ってしまいました。
授業が終わり、雑談の中で川村先生が、「労働問題を学ぶのは、人生を幸せに生きるためなんだよねー」とおっしゃっていました。
職場や社会に大事に扱われず、そうされる程度の自分だから仕方ないなんて諦めるよりも、女だから、男だからを超えて、一人の人として最大の力を発揮できる環境を要求して、幸せな働き方を享受していいのだということを、若い学生さんたちにも知ってもらえたらなぁと思いました。
「これからの正義の話をしよう」
私も買って読んでみます!
若い頃の読書は、一生の宝です。
本当にいい先生だよねー。
本日は、本当に良い時間をありがとうございました。
写真はお昼食べたカツ丼。
カツ丼は、正義。